CBTとは?PBTやIBTとの違いやメリット・デメリットを知ろう

NieV LABO

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一般・試験主催者様向け

CBTとは?PBTやIBTとの違いやメリット・デメリットを知ろう

CBTとは?PBTやIBTとの違いやメリット・デメリットを知ろう

紙媒体からIT技術を活用した試験へと移行が進められるなかで「CBT」は多くの資格試験や検定試験などで採用されています。

本記事では、CBTとはどのような試験方式なのか、「PBT」「IBT」との違いや比較した場合のメリット・デメリットなどをご紹介します。加えて、CBTが増加傾向にある理由や、テストセンターや運営代行についても解説します。

 

1.CBTはコンピュータによる試験方法


 

「CBT」は「Computer Based Testing」の頭文字をとった言葉で、コンピュータ上での試験方式を指します。一般的に、全国のテストセンターと呼ばれる試験会場で実施されます。世界各国でさまざまな分野・業界の資格試験、検定試験、社内試験、学力検査などに採用されています。CBTには約30年の歴史があり、問題形式も幅広いのが特徴です。

コンピューター上で解答ができ、選択問題はマウス、記述問題はキーボード、スピーキング問題やリスニング問題がある場合は、ヘッドセットをあらかじめ装着しマイクを使用します。問題は事前に登録済のものから抽出されますが、試験の難易度に偏りがないように出題される仕組みです。

 

2.CBTとPBTの違い


 

「PBT」は「Paper Based Testing」の頭文字をとったもので、従来の紙の問題用紙と解答用紙を使用する試験方式です。最近では記述式の試験よりも、マークシート式の試験の方が多くなっています。PBTの場合は紙を使用する試験方式なので、CBTと比較すると制約条件が多く、たとえば、カラーの問題用紙を使っている場合はカラーインクを使用するためコストがかかります。語学系の試験では、スピーキングテストを同時に行うことが難しいといった点が挙げられるでしょう。

また、PBTは試験のために複数の会場を確保する必要があります。全国一斉に行うので、年間に実施されている回数はCBTと比べて少なめです。一方、CBTは試験のために受験者の人数分のコンピュータを用意しなければならず、1つの会場で多くの受験者に対応するのは難しいというのが現状となっています。

 

3.CBTとIBTとの違い


 

「IBT」は「Internet Based testing」の頭文字をとった言葉で、Web試験あるいはオンライン試験とも呼ばれています。IBTはインターネットを利用して、受験者が自身のパソコンやスマートフォン、タブレットPCなどを使用して受験する試験方式です。基本的には自宅受験なので、CBTやPBTとは異なり試験会場まで行く必要がありません。また、受験者は好きなタイミングで受験できるというメリットがあります。運営側としては会場費が不要になるのでコストを抑えることも可能です。

ただ、受験者のインターネット環境や端末のスペックが試験に影響したり、カンニングや替え玉受験といった不正行為があったりするなどの課題もあります。厳格性・公平性の不完全さから、資格試験や学力検査など合否を決めなければならない試験では採用されにくいのが現状です。どちらかといえば、能力や適性などを判断するための模試、適正検査などで採用される傾向があります。

 

4.PBTやIBTと比較したCBTのメリット・デメリット


 

適切な試験方法は、どのようなことをテストしたいのかによって異なります。CBTを採用するか否かを決めるためには、メリット・デメリットについてしっかりと理解しておかなければなりません。ここでは、PBTやIBTと比較しつつ、CBTのメリット・デメリットを解説します。

4-1.CBTのメリット


 

CBTは一般的に会場型ですが、PBTより実施しやすいことから1年あたりの試験回数を増やすことができます。受験者にとっても都合の良いタイミングで申込むことが可能となり、受験への敷居が低くなる点がメリットです。CBTはコンピュータで行う試験なので問題用紙・解答用紙などの印刷、試験会場への配送や試験後の解答用紙の回収が不要であり、運営面でのコストや時間を削減できます。できるだけ運営にかかるコストを抑えたい場合には、CBTは有効だと言えるでしょう。

また、IBTと異なり、試験時に使用するコンピュータは会場に用意されているので、受験時の環境差がありません。ヘッドセットやタブレットなど試験に必要なものがあらかじめ設置されていたり、コンピュータのスペックやインターネット環境も統一されていることが多いので、実力に基づいた試験結果であると判断できます。会場には試験監督者がいることもあり、不正行為の防止に効果的で、IBTでは担保が難しい公平性や厳格性の確保が可能です。そのため、公平性や厳格性が重要視される資格試験、検定試験、学力検査などで採用することもできます。

 

4-2.CBTのデメリット


 

CBTは、試験の要件を満たしたコンピュータを一定数用意しなければならず、PBTのように1つの会場内に1000人単位で受験者を受け入れることができません。そのため、一般的にはテストセンターを利用し、実施回数を増やすことで年間の受験人数を調整します。ただ、テストセンターへわざわざ足を運ばなければならない点、パソコンなどの操作に不慣れな人もいるといった点から、受験自体を敬遠される可能性もないとは言えません。

ほかにも、不正行為が課題となっており、CBTであっても完全に不正行為を防止することは困難なので厳格に対策しなければなりません。試験会場にはそういった不正行為が行われていないかどうかをチェックし、何かあった際にはサポートもする試験監督者が必要です。ただ、CBTの場合は監督者自身にITの知識や技術も必要になります。さらに、1つの会場に大人数を集めて試験を行う場合には複数名の試験監督者が必要となるため、試験監督者としての能力とIT技術を兼ね備えた人材を集めるのが困難な点がデメリットだと言えます。

 

5.CBT試験のカンニング方法と対策


 

CBTはテストセンターで受験するものであり、現場には試験監督者もいます。しかし、カンニングが起こる可能性もあるため、防止策が必須です。たとえ、不正行為が発生する可能性が低くても、厳格性を保つためには不正行為が行われないよう環境を用意する必要があります。

実際にCBT試験で行われているカンニング方法の例を挙げると、スマホの隠し持ちやカンニングペーパー・手指などに答えを書くなどがあります。具体的には、スマホを上着の袖やポケットなどに隠した状態で解答を検索したり、隠し持てるサイズのカンニングペーパーを確認したりするという方法です。カンニングペーパーは、身分証や受験票などに小さく書き込んでいた事例もあります。

こういった不正行為を防ぐためには、スマホなどの電子機器を試験会場内に持ち込ませないように徹底したチェックが必要です。また、もし試験監督者が気づかなかったときにも発見できるように、監視カメラの設置も効果を期待できます。AIによる監視が行われているカメラを設置しておけば、受験者が画面外を見るなどの不審な行為をしたときにも発見することが可能です。

 

6.CBTの採用が増えた理由


 

CBTを試験方式として採用することにはさまざまなメリットがありますが、導入が右肩上がりになったのは時代背景やニーズに合っていたからです。ここでは、CBTが受け入れられるようになった理由について解説します。

6-1.受験者が利用しやすい


 

時代の流れとともにライフスタイルは多様化し、従来の受験者が一斉に試験を受ける方式は合わなくなりつつあります。そういった意味では、受験日時を自分の都合に合わせて選択可能なCBTは、現代の人々の生活に合った試験方式と言えるでしょう。もし都合が合わなくなった場合、試験にもよりますが、試験日の数日前でも会場や日時の変更もできます。また、コンピュータに慣れている人も増えており、紙の解答用紙に答えを書くPBTよりやりやすいという声も少なくありません。

試験結果についてもすぐに確認ができるため、手軽でスピーディな点もCBTの導入が増えている理由のひとつです。コンピュータに不慣れな場合でも、基本的にはクリックやスクロールなどの簡単なマウス操作とキーボード入力のみなので難しい操作は必要ありません。試験方法の動画などが配布されていれば、受験当日もスムーズに対応できます。

 

6-2.試験実施を柔軟にできる


 

日本国内ではさまざまな自然災害が毎年のように起こっていることから、予定していた試験日に地震や台風などに見舞われる可能性がないとは言えません。PBTの場合、そのようなケースでは後日特別に試験日が設けられるか、次回の試験まで待つしかないというのが現状です。しかし、万が一のことがあったときでも、CBTならば比較的日時をずらしやすいため、試験の延期や中止をせざるを得ない場合にも対応できます。

CBTの場合、テストセンターは全国各地にあることから、もしもどこか1カ所で試験を実施できないほどの問題が発生しても、ほかの地域にある試験会場で受験することが可能です。コロナ禍においても、CBTであれば、テストセンターでの少人数の受験が可能なため、感染防止対策をしたうえで試験を実施しやすいでしょう。また、受験者だけではなく、運営側が試験のためにかけたコストが損失するリスクが低い点も採用されることが増えている要因となっています。

 

6-3.電子化を進めやすい


 

2026年には公文書の管理を全面的に電子化に移行することが予定されているため、それに向けて国と民間のどちらもが文書の電子化に取り組んでおり、さまざまな試験でCBTへと移行しているところも多いです。CBTであれば受験後にリアルタイムで回答結果の電子保存が可能なため、電子化との相性も良いと言えます。

問題ごとに解答するまでどの程度時間がかかったのかなど、PBTでは知ることができない受験者データも取得可能です。こういった情報が収集できれば、データに基づいてさまざまな意思決定を行うことができるようになります。また、受験者データや解答結果を保管する場合も、CBTでは受験者がパソコンなどへ入力した時点で電子化されているので、データの電子保管にあたって余計な手間はかかりません。

 

6-4.セキュリティ面に優れる


 

PBTにおいて試験の問題冊子は、管理をずさんにしていれば漏えいする可能性もあります。紙の問題用紙は関係者であれば事前確認ができるので関係者から情報が漏えいしたり、解答した用紙が紛失したりする可能性もあり、リスクがないとは言えません。試験監督者がいても、さまざまな工夫をすればカンニングをばれずに行うことも可能です。不正行為があれば平等な試験とは言えず、実力による結果と判断することはできないでしょう。

一方、CBTは出題も解答もコンピュータで行うので、問題冊子などの管理でトラブルが起こりにくいのが特徴です。解答も暗号化されて送信されるので、通信時に傍受されてしまう危険性も防止できます。また、受験者全員が同じ問題を解くものではないことから、隣の席をのぞき見てカンニングをするような不正もありません。CBTは少人数で行ううえに受験者の席はそれぞれパーテーションで区切られており、そもそも不正がしにくい状態になっています。

 

6-5.コンピュータ試験ならではの多彩な出題ができる


 

PBTでは図表、文章などを活用した問題が多く出題されており、スピーキングの試験は制限される部分がありました。しかし、実際のところ、試験のなかには暗記だけではなく、思考力や応用力を試すテストも求められています。CBTでは、カラー図表や動画を見て解答する問題など、PBTではできない方法での出題が可能です。

また、マークシート方式、半角英数字による短文の解答、 ホットスポット、ドラッグやドロップなども活用した解答ができるようになります。語学試験についてもマイクを使用して音声での解答が可能です。受験者の試験正解率から受験者の能力を判断し出題を調整することで問題数が少なくても能力を正確に測定できるCAT(適応型試験)という方式も採用されるようになりました。

 

7.CBTのテストセンター


 

テストセンターとは、CBTを行うための試験会場を指します。一般的には、試験を運営している企業が所有している専用施設やパソコンスクールなどが該当し、テストセンターにもよりますが、収容規模は10名前後と小規模です。会場内の各席には1台ずつパソコンが設置されており、席と席の間はパーテーションにより仕切られています。不正防止のために携帯電話や腕時計などの私物は試験席に持ち込めないことが多く、ロッカーに預けなければなりません。ただ、ロッカーがないところもあり、そのような場合は各テストセンターによって対応が決められているので従ってください。

試験の際には会場に試験監督者が配置されていますし、受験開始前に受付で本人確認書類を持参したうえで本人確認を行うことになります。試験時には、全国のテストセンターに設置されている各パソコンにCBT用試験問題が配信される仕組みです。試験内容に応じてヘッドセットや専用のタブレット端末も接続されるなど、移動などをする必要がない状態で試験に臨めます。

 

CBTとPBT・IBTの違いを理解し適切な試験運営を目指そう


 

CBTはパソコンで行う試験方式で、テストセンターで受験します。PBTより利便性が高く、IBTより公平性や厳格性が高いのが特徴です。

ニーヴは、CBT試験の会場運営国内受託数No.1であり、プロの試験監督員を全国に配置、試験監督能力検定をするなど、高品質の試験監督者育成を目指しています。より良い試験会場づくりも行っているので、CBT試験への移行と試験運営の代行を検討する際はニーヴに問い合わせるのがおすすめです。

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